このように、今の日本は制度的にも精神的にも混迷しておりますので、たとえ物質的には繁栄の姿であっても、この繁栄は砂上の楼閣にもひとしく、いつ崩壊するかわからない危険性を孕んでいると言わねばなりません。
私たちの言う「占領政策」を簡単に説明しますと、まず占領軍は国民統合の中心である天皇の権威を否定し、教育勅語を廃して民族の歴史、道徳を抹殺し、さらに「神道指令」によって、国の礎である伊勢神宮や靖国神社も国家と切り離して一宗教法人にしてしまいました。また民族団結の基盤である家族制度を破壊しました。その上で、たった一週間で米軍人が作成した「日本国憲法」を押しつけたのです。たとえば九条「戦争放棄」に代表されるように、国家と国民の生命、財産を守る任務を持つ自衛隊は、現在なお日陰の存在になっています。このままでは、わが国は亡国の事態を招かざるをえません。
もっと残念なことは、日本人でありながら、これら終戦後の占領政策の数々を正しいものとし、皇室を否定したり、「平和教育」と称して過去の日本がすべて悪かったという、誤った反日教育を子どもたちに施す日教組(日本教職員組合)が未だに教育現場を支配しており、彼らと気脈を通じる政党・労働組合・同和団体が今も力を持ち、裁判官が偏向した判決を下したり、弁護士が外国勢力と結託して行き過ぎた人権を主張する事例が後を絶たないことです。
また、わが国には、現在中国・ロシアからの軍事的圧力が非常に強まっています。この中国・ロシアの強圧に対して、自ら国を守る力に乏しいわが国は、日米保安条約を信じて全面的に米国に依存しておりますが、まさかの時に米国が中国・ロシアとの戦争を決意してまで日本を守ってくれるとは思えません。その証拠に米国は、かつて自国の都合で南ベトナムを見殺しにし、台湾を放棄し、イランのパーレビ国王を見捨てたという前例があります。またTPPなど経済通商の面では、日米戦争といわれるほどの対立関係にある米国に対して、わが国が国家の命運を託すということは非常に危険です。一日も早く防衛の基本に戻って「自分の国は自分で守る」体制を築かなくてはなりません。
日本の完全独立と安泰のためには、まず占領軍によって抹殺された民族の栄光の歴史を回復すると共に、占領憲法を放棄して自主憲法を制定することから始めなければなりません。わが党はこの目的達成をめざして、多年権力の座に安住して惰眠をむさぼってきた政権与野党や、国賊官僚等を糾弾すると共に占領政策を打破し、これを一掃するまで果敢なる闘いを続けてゆく所存であります。 |